黒だし番長のカツオに会いに行こう!

「黒だし番長のカツオは、どこから来たのか?」日々黒だし番長を作りながら湧いてきた疑問。。。
そんなある日、カツオの仕入れルートをさかのぼる事、すぐに判明。それは鹿児島県枕崎のカツオでした!それならば、そのカツオを見に行こう!



2020年、10月。
カツオを追いかけて、やって来ました枕崎市です!
駅はこじんまりした落ち着いた風情です。
















枕崎市の人口は約21600人(平成30年)。
あら?私たちの住んでいる大分県臼杵市の人口よりキモチ少なめだったんですね。
そうなんです、ここは日本最南端の始発終着駅枕崎!
カツオ節の産地、枕崎市は九州地方の島の形の南端に位置しています! 始発であり、終着。だってその先、海だもんね〜。

 


かつお街道!
おお〜、何かドキドキします!

まずは今回、弊社のカツオに会いに行こうプロジェクトにご対応下さった、枕崎市役所にご挨拶。
担当窓口の、水産商工課の岩下さんと永江さんです。
私たちのカツオへの無知っぷりに、親切丁寧にレクチャーして下さいました。
カツオ節は宝永年間1707年頃、紀州の森弥兵衛さんにより製造方法が伝授されたそうです。 そして古くからカツオ漁が盛んだった薩摩藩にとって貴重な収入源でした。
全国のカツオ節生産割合では、枕崎がトップの47.8%(令和元年)で、日本一。常に全国で上位のカツオ水揚げ量を誇り、平均漁獲量も安定的に推移し、水産事業として重要な位置を占めているそうです。

「失礼ですけど、カツオのイメージが強いですが、それ以外に枕崎と言えば?」と聞くと、
「焼酎ですよ!さつま白波です。あと、黒豚も有名です」
そうか!さつま白波!有名ですね。枕崎だったんですね!

同じく水産商工課の佐藤さんと、桑原さんです。
「あ、そうそうこれが弊社カニ印の黒だし番長です。枕崎からのカツオ、満載です」
「え、番長?」変なネーミングにちょっと戸惑うお二人(笑)。
お二人から分かりやすくカツオ節の出来るまでを教えていただきました。
結構、質問を用意して行ったので何でもかんでも聞いちゃいましたが、時間をかけてご丁寧に教えてくださいました。

「枕崎のカツオの特徴は、他と比べるとどう違うでしょうか?」
「ん〜、市場の殆どが枕崎のカツオ節なので比べたことがないですが、南のカツオは脂肪が少ないからカツオ節には最適だと言われています」
さらに、
「皆さんにとって、カツオとはどんな存在ですか?」
と聞くと佐藤さんは笑顔で言いました。

「ハハハ。いや、もう子どもの頃から慣れ親しんでいるというか。朝、目が覚めたら町はカツオを燻す煙があちこちにあがって、その香りで育ちました。 残った骨とかおばちゃんにもらって家で茹でてフツーに食べてましたから。もう、生まれながらにして特別じゃない日々の生活の中の一部です、カツオは」

各地方には各地方の産業があります。
江戸時代から続く鰹節産業のその何気ない日常を、令和の現在まで紡ぐということは、当たり前に思えても日々の努力の賜物です。
地元を愛し、産業を愛する。
それはカニ印にとっても同じ事だよな〜、と思いました。

さて、早朝の枕崎港です。
すでにカツオ船が着港し、荷揚げの準備をしていました。
カツオ船に積まれた大量のカツオを、陸からクレーンを使って巨大ネットで吊り上げます。
港の慌しい感じが重機のエンジン音で伝わります。

さあ、行ってみよう! ドキドキします!


中に入ると、ワオ!カツオ!
かつお!鰹!いそのかつおです!
ヘルメット姿の屈強な男たちがベルトコンベアに載せられたカツオを、サイズごとに次々とコンテナに入れていました。
ものすごい量のカツオ、初めて見るもんでちょっと唖然・・・・。


 
南洋で捕獲したカツオは腐らぬようその場の船内で冷凍され、長き旅を経て枕崎に帰ってきます。
カッチカチのカツオです!
大きいのは想像していましたが、実際に実物を見ると迫力あります。
船上から陸の倉庫に下ろされても、枕崎市は市内に大型冷蔵庫が整備されているため、かつお節製造の周年操業が可能だそうです。


一方、別の船でもドカーンとクレーンで吊り上げられた大量のカツオが荷揚げされていました。
ここも、カツオ!かつお!!鰹!!!ですっっっ!!!!
クレーンがものすごく巨大で、吊り下げ量もさっきよりすごい量。
トンレベルで荷揚げされる光景にやっぱりここでも唖然とするばかり。。。。





さぁ、ガサーッ!と押せ押せでカツオたちが流れてきましたヨ〜!





ベルトコンベアーで運ばれるカツオたち。
ジェットコースーターの上り口に次々と登って行くようです。

 
ここには先ほどのような屈強な男たちのカツオ分別ではなく、自動化された分別機でした。
ベルトコンベアで上がったカツオたちは次々と自動分別機に落下し、ローラーでクルクル回りながら大きさごとにコンテナに入っていきます。
あっという間に、コンテナは満載。
静かに横たわるカツオ達。。。。
何かシュールな世界。。。。




いっぱいになった各コンテナはリフトで運ばれます。




こうしてトラックに載せられたカツオたちは、それぞれ市内の加工場に運ばれてゆきます。




さて、港の市場では威勢の良い声が飛び交い、競りが行われていました。



おお、カツオだ!
こういう傷の無い綺麗なカツオや、小ぶりのカツオはタタキなど生食用で市場に出回るそうです。


枕崎市の水産加工業は漁港と一体となった枕崎鰹節の一大生産地を形成しています。
さあ、加工場に運ばれたカツオたちはカッターマシンで頭を切り落とされ、職人たちの手作業で手際よく解体(身卸し)されていきます。


瞬く間に、卸された身はカツオ節の形になっていますね。
とにかくバッサバッサと作業が早い! 慣れたものです。
ちなみにカツオは、身はかつお節になりますが、その他でも「捨てる所がない魚」です。
頭、骨、内臓は、魚粉・魚油・エキス・塩辛・せんじ等になります。
カツオという資源に感謝し、もったいない精神が宿る日本人ならではの利用方法だと、感心しました。

 

カットされた身は格子に並べて、この後、煮熟(しゃじゅく:98℃でボイル)されます。
煮熟後、手作業で骨抜きをし、焙乾(ばいかん:まきをたき煙でいぶす)します。
約2週間〜1ヶ月くらいゆっくりと燻製にするそうです。

そして燻製後、カビをつけて(2回以上)さらに半年寝かせ、水分が完全に抜けたらまるで木のようになるのです(本枯れ)。
かつお節は出来上がるまで約半年〜1年以上かかるそうです。
味噌と同様、完成するまでじっくりと時間がかかるものだったんですね〜。

ちなみに、かつお節にカビをつけるのは、
 1.水分を取り除き、均一した製品になるため
 2.カツオ節の脂肪を分解し、ダシ汁のアクと濁りがなくなる
 3.独特の芳香と、タンパク質の分解により旨みが増す
 4.優良カビを増やし外部からの不良カビから守る

その方法を江戸時代に開発し、伝授した森弥兵衛さん、マジですげえ。。。
日本人の英知と技術の結晶だからこそ、この令和の現代まで続く秘訣であろうとまさに感服です。

カツオ節、万歳!




その後、削られたカツオ節は、ネットに入れられます。
(当社で使用するカツオ節は、荒節です)




チェーンのついたメッシュカゴに入れて、タンク内に吊り下げます。そして、熱水で煮立て、ダシを取ります。




それそれ〜かき回せ〜!
そして攪拌し、80〜85℃で20〜30分、煮出します。
その後、しろしょうゆ等を加え調整し、パック詰めします。

 



完成したダシ汁原液は小分けして一斗づつパックし、その後の少量生産に対応します。今日は100リットルの黒だし番長を調合します。







かつおダシ汁を調合タンクへ入れます。この時の香りはとにかくお腹をすかせます。


















醤油、みりん等を加えます。

背が届かないので、はしごで登ります。

これは危ないので、おふくろや嫁にはやらせません。



攪拌後、一晩寝かせて、ボトルに充填します。
充填作業は手作業です。
おふくろは年でウトウトしてすぐ寝るので、ずっと任せられません。
手を動かすのが長生きの秘訣ですので、最初の100本位は入れてもらいます。





半透明のカツオダシの原液は、醤油と調合され黒くなり、つまり「黒だし番長」へと変わっていますね。



充填されたボトルは、打栓機で栓をします。
打栓も手作業で行います(打栓機は画像左端の穴の開いたポール)。1ロット約200本の黒だし番長が出来ます。





ラベルを貼って、できあがり〜。
もちろん、ラベル貼りも手作業ですが。。。。。。


こんな手作業で完成する昔ながらの「黒だし番長」なので、
イオン系や生協などのスーパーの厳しい基準に 「マジでクリアしません」。
よって、直販およびネット通販のみとなります〜。
今後もクリアなんてする気が無いので、スーパーで売ってくれなくて今んところ結構です〜。

枕崎から出荷されるカツオは全国規模であろうと思われますが、
そのほんの小さな小さな一部がカニ印までやって来て「黒だし番長になる」という事に非常にロマンを感じました!

だから、モノ作りって面白いですね!

日本各地の生産地、生産者、そして地球の資源に感謝です!

最後に、枕崎市水産商工課の岩下さん、永江さん、佐藤さん、桑原さん、加工工場の皆様には大変お世話になりました!
お忙しい中、お時間をいただきありがとうございました!

今日もおいしい黒だし番長ができています!

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